麻裏はどの穢多の家(うち)でも作るので、『中抜き』と言つて、草履の表に用(つか)ふ美しい藁がところ/″\の垣根の傍に乾してあつた。丑松は其を見ると、瀬川の家の昔を思出した。夕飯の用意を命じて置いて来たからと、蓮太郎に誘はれて、丑松は一緒に根津の旅舎(やどや)の方へ出掛けて行つた。蓮太郎はしきりに彼の穢多の性質や行為(おこなひ)やらを問ひ尋ねる。丑松は既に種々(いろ/\)なことを話して居乍ら、未だ何(なんに)も蓮太郎に話さないやうな気がした。農業と麻裏製造(あさうらづくり)とは、斯(こ)の部落に住む人々の職業で、彼の小諸の穢多町のやうに、靴、三味線、太鼓、其他獣皮に関したものの製造、または斃馬(へいば)の売買なぞに従事して居るやうな手合は一人も無い。
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